世界一簡単な、総当たり戦の試合の組み合わせの方法。スポーツ全般、将棋、囲碁、チェスなどで使える、複数チームでの総当たり戦に使える理論

はじめに

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実はこれ、サッカーだけでなく、あらゆるスポーツの、「複数チームにおける総当たり戦」で使える考え方が組み込まれているんです。スポーツだけでなく、将棋、囲碁、チェス、オセロ、その他ゲーム大会などにも応用が利くと思います。

今回は、その理論と仕組みについて、ちょっと解説してみます。

1. 総当たり戦での試合の組み方 ー4チームを例にー

 まずは試合を組まなければなりません。たとえば、ワールドカップと同じように、4チームの総当たりとしましょう。チームの名前は、話を簡単にするために、「チーム1」「チーム2」「チーム3」「チーム4という名前にします。

  1-1 試合を組むには、まず適当な大きさの円を描き、その上に一番数字の少ないチーム(「チーム1」)の名前を書き、次いで、一番数字の大きいチームの名前(「チーム4」を円の中心に書きます)

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  1-2 残ったチームを番号の小さい順に、円周上に時計回りで書いていきます。

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  1-3 円のてっぺんのチームと、円の中心のチームを縦に囲み、これが第1試合(チーム1対チーム4)になります。残りの、円をはさんで対称な2チームが第2試合(チーム2対チーム3)です。

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  1-4 これが第1節のカードです。例のように総チーム数が偶数の場合は、1節での試合数は、総チーム数÷2 になります。なお、(後述しますが)総チーム数が奇数の場合は、1チームだけ試合の相手がいないチームができてしまうので、試合数は、総チーム数÷2)ー1 になります。

  1-5 第1節の試合が終わったら、第2節のカードを組んでいきます。節が変わった時には、円の中心のチームは固定して、円周の周りのチームだけを、反時計回りに回転させます。(最初に数字を書く時は時計回り、回転する時は反時計回り、と覚えておくといいでしょう)

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  1-6 こうして出来たのが、第2節のカードです。第1節の時と同じように、円のてっぺんのチームと中心のチーム、円をはさんで対称な2チームが対戦します。

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  1-7 同様にして、第3節のカードを決定してみましょう。第1節から第2節への移り変わりの時と同じように、円の中心のチームは固定して、円周の周りのチームだけを、反時計回りに回転させると、第3節のカードが出来ます。

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  1-8 なお、この場合は総チーム数が4チームですから、第3節で全試合が終了します。ちなみに、全試合を行うのに必要な節の数は、総チーム数をNとすると、

Nー1)節

 です。

また、全節を通した総試合数は、4チーム中の2チームを選ぶ組み合わせの数ですから、

Nかける(Nー1)割る2 試合

(数学で言うと、4C2 

です。この場合は全6試合が行われます。

2. 総チーム数が奇数の場合 ー5チームを例にー  

  2-1 ​ では、総チーム数が奇数の場合を考えてみましょう。この場合は少しやり方がちがいます。円を描き、その中心に一番数字の少ないチームを書き、円のてっぺんから時計回りに、数字の少ない方から並べていきます。

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  2-2 ​ 4チームの時と同じように、円のてっぺんのチームと中心のチームが対戦。円をはさんで対称にあるチームが対戦。残ったチームは試合が無いので、お休みです。図では、チーム1とチーム2が対戦、チーム3とチーム5が対戦です。残ったチーム4はお休みです。

 

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  2-3 ​ 節が変わったときは、円のてっぺんにいたチーム2が中心に入り、先ほどまで中心だったチーム1は、円の左に移動。偶数チームの場合と大きく異なるのは、中心を含め、全てのチームが移動することです。

 

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  2-4 ​ 中心を経由するだけで、円周上を、反時計回りに回転させるのは同じです。これを節の数だけ繰り返します。総チーム数が奇数の場合は、順番にお休みのチームができます。

 

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3. チーム数が多いときも同じ

  3-1 総チーム数が多くなったときも、やり方は変わりません。念のため、10チームの場合を考えて、おさらいしてみましょう。図を書いてみるとこうなります。

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  3-2 円のてっぺんのチームと中心のチームが対戦。円をはさんで対称な位置にあるチーム同士を対戦させるとこうなります。どのチームとどのチームが対戦するのか一目瞭然ですね。

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  3-3 あとは、同じように反時計回りに回転させて、対戦相手を変えていくだけです。簡単ですね。

さあ、円を描いて、対戦カードを作って見ましょう。それでは!

2018/02/07 

追記:奇数チームの部分の記述が間違っていたので、図を含めて訂正しました。

ご指摘くださった方々、ありがとうございました。